一般の人の「看護師」のイメージと言えば、「夜勤もあって病棟に勤務している」というのが、まだまだ多いかもしれませんが、今では看護師にとっても様々な働き方が増えています。
今までは夜勤も出来る「正職員」しか採用しなかった病院も、最近は様々な雇用形態の看護師にまで門戸を広げています。
もちろん、現場の看護師の皆さんもその変化は感じていらっしゃると思います。
今回は、その中の「看護師派遣」について、メリット・デメリットだけでなく、法律的に正しく理解出来ているか、についてもまとめました。
なんとなく、「派遣」を選択している方はぜひ参考にしてみてください。
看護師派遣が出来る範囲とは
労働者派遣法の中で、看護師を含む医療従事者は派遣の適用除外業務に該当します。よって、厳密には病院や医療機関に看護師を派遣することはできないのです。
その中で一部派遣が認められているケースが3つだけあります。
・紹介予定派遣
・病院・診療所等(介護老人保健施設または医療を受ける者の居宅において行われるものを含む)以外の施設。
・産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務
なので、基本「看護師派遣」として求人が出されているのは、上記3つのケースだけのはずなのですが、正直グレーな求人もあったりします。
知らない事で本当は違法になるような看護師派遣を紹介されてしまう事もあります。ご自身の経歴にも傷がついてしまい兼ねないので十分気をつけてくださいね。
看護師派遣のメリットとは
- 勤務について自分の希望が通りやすい。
- 希望する期間で働ける
- 給料が正職員とさほど変わらない
- 面倒な職場の人間関係に巻き込まれにくい
- 委員会・勉強会は免除される所が多い
- 新人教育などをしなくて良い
などが挙げられます。
何と言っても、「週3日だけ働きたい」「日勤だけで」など自分の希望する時間帯で働きやすい事が大きなメリットです。またあらかじめ期間を決めて病院以外の経験を積めるので、キャリアを気にせず試せる、という利点もあります。
また、今まで正職員として委員会や新人教育、サービス残業と超多忙な経験をされた方が、そういった雑務から距離を置いて純粋に看護だけをやりたい、という事で「派遣」を選ぶ方もいらっしゃいます。
看護師派遣のデメリットとは
- 福利厚生があまり期待出来ない
- ずっと同じ職場で働き続けられない
- 即戦力として、すぐに活躍を求められる
- 年齢・キャリアを積んでも給与はあまり上がらない
派遣会社の福利厚生はもちろん受けられますが、ボーナスや退職金はありません。院内保育も派遣であれば利用できない場合もあります。
またどんなに気に入った職場に出会ったとしても紹介予定派遣以外では、続ける事はできません。
そして、派遣の立場では新人扱いはされません。すぐに即戦力としての対応を求められるので、一から研修してくれると思っているとしんどいかもしれませんね。
最後に給与面でのデメリット。それは、若い頃は派遣の方が給与が多くなる事もありますが、ベテランになったからといって急激に時給が上がる事はありません。だんだん給与面で差が出てくるので将来的な事も考えておいた方がいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
どんな働き方にもメリット・デメリットはあります。それをよく理解した上で、自分は何を優先するのか、をしっかり決めた上で選ぶ事が大切です。
「なんとなく」や「楽そうだから」「つなぎで」という理由で派遣を選ぶ方も多いですが、今は通常の正職員でも様々な働き方が選べる病院もあります。
ぜひ、色んな視点で探してみてくださいね。