手に職がある看護師さんは、昔から比較的転職をする人が多い、という傾向がありましたが、最近は一般の世界でも新卒者の約1割以上は3年以内に転職をするほど、転職に対する抵抗感はなくなってきている事が分かります。
ただその中でも好待遇の職場に転職しようと思うと、きっちりとしたキャリアプランを立てている必要があります。
そういった背景から最近では社内でも個人のキャリアアップを視野に入れた人事評価制度を採用する会社も増えてきました。
ただ、看護師さんの世界についてはどうでしょう?他職種に比べて自身のキャリアプランがある、という人の割合が少ないという結果もあります。今回は、看護師のキャリアについて考えてみましょう。
キャリアプランがそもそも立てにくい?
一般の職種とは違い、人手不足で実際転職にはあまり困らない、という事がキャリアプランを考える必要がない、という最大の理由だと思いますが、多くの看護師さんが「キャリアプランがない・考えられない」と答える理由は他にも考えられます。
・忙しすぎて考えている余裕がない
・勤務先の都合に左右されやすい
・どうしても出産や育児でキャリアが途絶えた後に同じような働き方が難しくなる
・最終目標が分かりにくくモチベーションが保ちにくい
このような事が挙げられるのではないでしょうか。
もちろん、人の命を救う、という事が十分なモチベーションになるとは思いますが、自身の技術の向上などは分かりにくく、今後の自分のステップアップとは別です。
目指したい分野があっても、勤務先が対応しているかによっても変わってしまいますよね。
このような現状からキャリアプランが立てにくい職種と言えるかもしれません。
どんなキャリアプランがあるの?
上記のように、キャリアプランが立てにくいとはいえ、今後の超高齢化社会に向けた政府の取り組み、その先の人口減少・AIの普及など、看護師の皆さんにも大きな変化は訪れます。
少しでも好待遇の環境で働くためにも、今からキャリアプランを考えておいて損はありません。
・認定看護師や専門看護師の資格を取り、特定分野のエキスパートを目指す
・ 循環器、脳外科、消化器、整形外科、産科など、好きな分野での経験を積み、得意分野を伸ばす
(※ 病棟、オペ室、訪問看護、外来などでも良いかもしれません)
・リーダー研修やマネジメント研修を受け、組織の中で管理職を目指す
・家庭や育児、プライベートと両立しやすい自由度の高いクリニックや訪問看護への転職を目指す
・介護業界や製薬会社など異業種への転職を目指す
・保健師、助産師の資格を生かし、公務員として働く
こういったプランなどもあります。「あっ、自分はこれを目指したい!」と思うものが見つかった方はぜひその実現に向けてどう動いていけばいいのか、具体的に考えてみてください。
まとめ:
いかがでしたでしょうか?
キャリアプランを持つと、目の前の患者の回復や安楽といった患者の目標だけでなく、 看護師として自分自身の目標を持つことが出来ます。
日々の看護を通じて、 患者だけでなく自分の目標も達成することが出来れば、看護の満足度はどんどん深まっていくと思います。
その中でどんなキャリアプランを立てるか迷っている方には、まずは「臨床経験」を積むことを最優先して頂きたいです。
やはり転職の際、採用側が気にするポイントは「臨床経験」だからです。臨床経験が少ないと、自分が目指したいキャリアへ進めない可能性もあります。
また、早い段階で一つの診療科に特化してしまうより、全身管理の経験を積んでおく事をお勧めします。
今後のキャリアを自分の希望通りに進めるためにも、まずは必要な経験を意識して積んでみてください。きっと自分が満足できる看護師生活が送れると思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。