皆さんは、病院から残業代をきちんともらえていますか? 病院からは、「うちは残業代が出ない」とか「残業代は基本給に含まれている」などと言われた経験がある方が看護師には多い、という調査結果もあります。
しかし、もちろん看護師も残業代は発生しますし、残業代を請求することもできます。今回は、サービス残業が多いと言われる看護師さんに知っていてほしい、法律的な考え方などをまとめました。
来年度からはさらに三六協定に罰則規定も出来るなど、法律もどんどん変わっていますので、今までがそうだったから、、と諦めないで新しい情報をキャッチしていって下さいね。
看護師さんにありがちなサービス残業のパターン
まずは、よく聞く看護師さんの残業になるケースです。
(1)看護記録やPCへの入力業務
(2)ナースコール
(3)カルテチェック
(4)緊急入院患者
(5)手術開始前の準備作業
などでしょうか。ご自身の経験と比べてみてどうでしょうか?
どうしても仕方がない場合もありますが、先輩看護師に言われて、当然のようにやっている業務終了後の仕事も全て本来は残業代の支払い対象になるんです。
サービス残業のボーダーライン
では、サービス残業がどれくらいある病院がブラック病院と言われるのでしょうか?
特に法律上の基準が設けられているわけではありません。ただ、労働基準法では、労働者に残業をさせるために、「三六協定」を締結することが義務づけられています。
そして、三六協定を締結するときにも、残業時間に上限が決められています。
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- 1週間 15時間まで
- 2週間 27時間まで
- 1ヶ月 45時間まで
- 2ヶ月 81時間まで
- 1年 360時間まで
と聞いても正直「なんの事?」という方がほとんどだと思います。わざわざ面接時にこのような話をする病院は、皆無と言っていいでしょう。
一般の企業でも同じなので看護師さんに限った事ではありませんが、働く社会人として、ある程度の知識は持っておいた方が、いいと思いませんか。
話を戻すと、三六協定内での残業を平均すると、大体1日の労働時間が11時間程度になります。これ以上勤務させている病院はブラック病院である可能性が高いと言えます。一つの目安にしてみて下さいね。
またこれとは別に過労死に至りやすい「過労死ライン」というものも厚生労働省より発表されています。これによると月の残業時間が100時間を超えると、過労死する可能性が高くなるそうです。ブラック病院以前の問題で、自分の健康にも影響が出ることを忘れないで下さいね。
法律面からみた覚えておきたいポイント
「残業代は基本給に含まれている」と言われても、法律的な要件を満たしていない病院がほどんどなのだそうです。
その言葉だけで諦めるのではなく、きっちりと説明を求めれば残業代は請求できます。
またその残業代の請求も過去2年間まで遡ることができます。ただ、その為にはタイムカードや日報などの証拠が必要となりますので、いざという時に備えて、処分せずに持っておきましょう。こちらも実際に個人で請求する機会は、ほぼないかもしれませんが「基礎知識」として覚えておくとよいと思います。
まとめ
このような知識を気にせず働ける環境が、もちろん一番いいのですが、知っておくだけでも転職先を選ぶ際に、役立つことがあります。
残業になりやすい業務について事前に質問してみたり、月の平均勤務時間などを事前に確認する事で、ブラック病院へ転職する可能性を少なくできると思います。
自分を守る為にも正しい知識を身につけておく事が、よい転職先への一歩かもしれませんね。