あっという間に2019年も半分が終わり、令和になって2ヶ月。そして7月。新人の方は本格的に夜勤が始まる時期なのではないでしょうか?
そしてこの7月はインシデントが増える傾向にある時期でもあるのです。これら二つの因果関係から見えてくる課題を考えてみましょう。
インシデント・アクシデントの起こる時期と傾向
全国的な統計データではありませんが看護部をもつ比較的大きな病院では、インシデントやアクシデントの件数が毎年6月以降に増える、という傾向があるそうです。
現場の看護師の皆さんならすぐ想像がつくかもしれませんが、多くの病院で新人看護師さんが実際にチームの一員として動き出す時期と重なります。またその中でも、7月はインシデント・アクシデント回数が日勤より夜勤の方が多かったという結果もあります。
それは、7月から新人の本格的な夜勤が始まるからでしょう。
どうしても新人は、慣れない職場環境に加え知識・技術も未熟であるためインシデントを起こすリスクが高いですよね。それは、仕方がない事ですが、ではどんな状況で起こっているのか、ご存知でしょうか?
新人看護師がインシデントを起こしやすい状況とは
新人看護師の起こしやすいインシデントとして、診療補助業務の与薬管理でのインシデントが一番多い傾向にあり、
その中でも
「夜勤帯に受け持ち患者を見回っている最中に急患が入り、他患者への投与実施時間を見過ごした」
「点滴投与の指示を間違えて筋肉注射にしそうになった」
「点滴の滴下数が不適切だった」
「注射する部位を間違えそうになった」
など、夜間で人手が少ない中、同時に一人で業務をこなさなければならず、焦りや不安で集中力が欠如してしまった結果、インシデントを起こしている事が予想できます。
事前に上司やプリセプターができる事って
新人看護師に対して、プリセプター制を導入し、教育の中でプリセプティが周囲のサポートを得られる体制を取っている病院がほとんどだと思います。
しかしながら、新人看護師がなかなか「SOS」を出すタイミングが分からず、一人で抱え込んでしまいインシデントに繋がるという問題点があるようです。
その対策として、新人が人間関係に悩み始め、ちょうど夜勤も始まる7月、という早い段階で、ロープレなどの研修を行い、どういう状況になれば先輩に助けを求めれば良いのかを具体的に指導する事で、インシデントの減少に成功している病院もあります。
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
プリセプター・プリセプティに関わらず、看護師として誰しもインシデントは起こしたくないですよね。
その中でも、特にプリセプターとしては、自分の担当プリセプティには絶対インシデントの当事者になってほしくない!という一心で、先にサポートしてしまったり、自分の経験を「知識」として教え込もうとしてしまいがちですよね。
しかし、それだけでは様々なケースに対応できるようになりません。
これからは、自分で考えて、事故の元になりうる危険因子に気付ける感覚がとても大切になると思います。
こういったリスク感覚を磨いていくことがインシデントの削減につながるのではないでしょうか。