医療業界のパワハラを考える・・・シリーズ第二弾は、医師から看護師へのパワハラ問題について考えてみたいと思います。
実際、多くの現役看護師さんが悩んでいますが、立場上なかなか言う事が出来ず、問題にさえしてもらえない状況のようです。
では、現場ではどのような事が起こっているのでしょうか。
1. 医師から看護師へのパワハラとは?
前回の「患者からのパワハラ」を被害者・加害者と言う概念で見たときの構図は、【被害者:医療関係者】VS.【加害者:一部の患者、クレーマー】と言うものでしたが、「医療関係者」の中でも様々な立場の違いからパワハラが横行しているのです。
その中の今回は医師と看護師との問題です。
具体的には、医師から患者や同僚の前で無能扱いされたり、人格を否定する様なひどい言葉を浴びせられる。医師の指示が必要であるにも関わらず無視される、急に処置内容を変更される・・・など。看護師の事を下の職種である、と見下している医師が少なからずいるのです。
このようなパワハラを無意識に行なっているのは、個人開業の医師や病院長、部長クラスの方々で、特に50歳以上の医師の方に比較的多いような気がします。
そして、そういう医師から看護師へのパワハラは、患者にも影響を及ぼす、と言う事も忘れてはいけない大きな問題点です。
2. 少しでも医師からのパワハラを避ける対策ってあるの?
医師から看護師へのパワハラには、どうしても患者の命を預かっている責任がある為、厳しくならざるを得ないケースがあるのも事実です。また往々にしてパワハラをやってしまう医師の多くは多忙だ、と言う事です。
このような事情を考慮し、少しでも看護師さんが自分で身を守る為に気をつけるべき点は、
・出来るだけまとめて指示をもらうようにする
・早め早めに報告をする
・医師の癖、やり方を早く覚える
と言うような当たり前の事です。これが、実はパワハラを避ける対策に少なからずなるのです。
とはいえ、これらが出来ていない事を理由にパワハラをしてもいい、と言う事は全くないので自分を責めないで下さいね。
3. 表面化しにくい医師からのパワハラ、このままでいいの?
同じ看護師さんの中でも様々な意見があります。
「医師に罵声を浴びせられるのには、本人にも原因があるから」「このような医師ともうまくコミュニケーションを取れる事も看護師の資質だ」と言うような厳しい声が、意外にも同じ看護師さんの中でまだまだある、と言うのも現実です。
もちろん医師からのパワハラが特定の看護師のみに行われているのであれば、そう言った看護師個人の問題もあるかもしれませんが、看護師全体に対してなされているのであれば、医師本人の資質そのものに問題がありますよね。 そう言った違いにも気付ければ、少しは楽になるかもしれません。
ただ、スポーツの世界でさえどんな状況であれパワハラは絶対NG、と言われるようになった現在、「指導」と「パワハラ」の境界線は難しいですが、医療業界も意識を変えていく事が必要なのかもしれません。
4. まとめ
色々な事情でなかなか声を上げる事は難しいかもしれませんが、医師からの理不尽なパワハラに屈する必要はないと思います。
まずは、他にも同じようなパワハラを受けている仲間がいないか、探してみましょう。
そして、まずはその仲間から相談してみると、いいかもしれません。
また、看護師長や上司に相談する前に、事実関係を時系列で説明できるように、まずは整理してみてください。感情的になっていきなり伝えてしまうのは避けた方がいいでしょう。
辛いかもしれませんが、まずは自分自身が冷静である事を心掛けて下さいね。
そして、最後まで我慢する必要がない、と言う事も覚えておいて下さい。
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