去年辺りから急激にニュースなどでも取り上げられる事が多くなってきたパワハラ問題。本当はどうなのか、は当事者間でしか分からない事だと思いますが、世間の注目度はかなり上がっていますよね。
今回からシリーズで医療業界でのパワハラ問題を様々な視点から考えてみたいと思います。
シリーズ初回は、昔からあったもののなかなか言えず、特殊な環境の中で耐えるしかなかった「患者からのパワハラ」についてです。
1. 患者からのパワハラとは?
パワハラと聞くとどうしても上司から受ける嫌がらせ、というイメージですが、患者からのパワハラについても最近ようやく取り上げられるようになりました。
過去の調査では、医療関係者の半数以上が患者からのパワハラやセクハラにあった事がある、と回答しています。現場にいないとなかなか分かりませんが、これほど深刻化しているのです。
具体的には、看護師の対応への不満や待ち時間のストレスなどから暴言を吐かれるケース、亡くなった患者さんのご家族・関係者が動揺して八つ当たりするケースなどが多いようです。
これとは別に、疾患による症状として引き起こされたりする暴力に対してはある程度看護師として対処せざる得ない為、なかなか自分から言う事が出来なかったのではないかと推測出来ます。
パワハラもそうですが、それ以上に疾患を理由に看護師に必要以上に触れるなど、病院の外に一歩出れば確実にセクハラ、と呼べるような事も、院内ではまだまだ横行しているのです。
2. 医療機関の現状
患者さんからのパワハラに対する医療機関での組織的な取り組みは、まだまだ不十分です。
医療安全室やクレーム担当者など対応する部署を設置している病院もありますが、担当職員が通常業務との兼務で忙しかったり、問題発生時の担当者とその役割や具体的な対応や対処の流れなどが決まっていなかったりするのが現状です。
けれども、確実に今後はこれらの患者さんに対する対応方法が問われてきます。善良な患者さんと看護師を始めとする医療従事者の安全を守る為にも重要な事だと早く気づいてほしいものですね。
3. 看護師の現状
職場に相談窓口がある方は、思い当たる事があれば一人で抱え込まず相談するべきです。ただ悲しいですがまだまだ世間の流れに現場は追いついていないでしょう。自分が思うような対応をしてもらえないかもしれません。
どうしても特定の患者さんからのパワハラが辛いのに、病院の利益の事しか考えず我慢させられる場合は、ちゃんと組織で守ってくれるような病院に転職を考えてもいいかもしれません。
まだ希望に叶う施設は少ないかもしれませんが、最後にそのような病院か見分けるポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。
4. まとめ:患者からのパワハラに力を入れている病院か見分けるポイント
1.医療機関のトップからパワハラに対する指針や対策が打ち出されている
2.定期的にパワハラ患者に対する対応方法についてのロープレや、匿名アンケートが行われている
3.院内の分かりやすい場所に意見箱などが設置されている。(対応結果も貼り出されていたらなお良い)
4.クレームマニュアルのような物が目のつく所にある
このように、患者からのクレームを減らす努力を行うと共に、パワハラ問題を公に取り上げ、しっかり対策を立てている、立てようとしている施設は、今後に期待できると思います。病院見学の際に注意して見てみるといいですよ。
▶︎▶︎▶︎▶︎もっと誰かに相談したい方はこちら
相談相手はここにいます!お気軽にどうぞ。TEL:03-5315-9383