人気の訪問看護。オンコールの実態を知らずに損してない？

投稿日：2020年07月30日

ライフスタイルの変化に合わせて、働き方を変える看護師さんは多いですが、その中でも最近は、夜勤がなくてもある程度の年収を見込める働き方として、訪問看護が人気です。

国の方針としても今後は在宅医療が推奨されているので、需要が増えている事も背景にはありますが、やはり日勤のみ、と言う働き方が人気の要因だと思います。

そんな訪問看護にも病棟勤務の「夜勤」と同じように一つの壁があります。「オンコール」です。

そのオンコール対応はNG、としてしまうと一気に常勤での選択肢が減ってしまうのをご存知ですか？今回は、今さら聞きにくいオンコールについて解説します！！

オンコールとは

訪問看護ステーションや施設系の医療機関は、患者さんの急変に備えて24時間体制をとっている所が多いです。

オンコールは夜間や、休日の緊急の呼び出しや訪問に備えて待機しておく事です。専用の携帯を持って帰宅し、電話がかかってくればまずは電話で相談に応じ、状況に応じて訪問もする事になります。

勤務時間は基本日勤のみですが、オンコールは当番制で回ってきます。夜間にも対応しなければいけない可能性があるので「オンコールは無理」「やりたくない」「一人で対応出来るか自信がない」と、オンコール対応を希望条件から外す看護師さんが多いですが、その事で常勤での転職が難しくなったり、給与も下がってしまう可能性があります。

実際には、施設ごとにかなり対応が違うので、最初からNGにしてしまうのは勿体ないかもしれません。

オンコールの相場

毎日オンコール当番が変わるステーションもあれば、金曜の夜から月曜の朝まで1セット、と言うステーションなどもありますが、大体月に4回〜8回が平均のようです。（大規模な施設だと当番の回数自体が少なくても、対応件数は多くなるので一概に件数だけで比較しないようにしてくださいね。）

オンコール当番の日は勤務になるのか、と疑問に思う人も多いですが、労働基準法としても勤務には当たりません。ただし、負担に対する手当などの対応は必要、とされています。

オンコール手当の相場は1回につき1,000〜3,000円くらいです。そこから実際に緊急訪問などを行った場合に訪問時間に対する時給が支払われます。1時間あたり2,000〜5,000円。1回の出動ごとに定額で支払われる場合は5,000～1万が相場のようです。

オンコールの実態とは

では、実際どれくらい対応しているのでしょうか？

季節や規模によってもまちまちですが、電話相談で終わる事が多く、緊急訪問は月に2回程度の施設が多いようです。しかも夜間の出動は利用者全体でも約3割程度。

利用者さんもある程度時間を見て電話をされているのでしょう。

このように訪問看護でのオンコールは、病状の経過観察、利用者さん・ご家族の相談、精神的なサポートなどの電話対応がメインで、実際に訪問することはごく稀のようです。たまたま「当たり」日を担当してしまう事もあるようですが・・・

オンコール当番日の過ごし方

オンコール当番の日は、基本は自宅待機ですがすぐに戻れる場所であれば、外出も大丈夫です。お子さんと近くの公園に遊びに行っている人もいます。

電話がすぐに取れる環境であれば問題はありません。逆にお風呂や寝ている時もすぐに着信に気付ける準備は必要です。

夜は飲酒も控える必要があるので、休みの日と間違えないように注意してくださいね。

まとめ

いかがでしたか？訪問看護でのオンコールのイメージが出来たでしょうか？

今後、診療報酬の面からも24時間体制の訪問看護ステーションは増えると予想されます。常勤で訪問看護に転職を考える場合には、オンコール対応がより求められるでしょう。

その際に、実態をよく知らないまま「オンコールは出来ない」と思い込んで、訪問看護を諦めたり、非常勤にしてしまうのではなく、具体的な回数や状況をよく確認してみる事をお勧めします。

確かに、コールがなかったとしても「1日休んだ気がしなかった」とストレスに感じる人もいらっしゃるので一概には言えませんが、思ったより楽だった、と言う人が多いのも事実です。

また「困った時に助けられるから看護師冥利に尽きる」と言う人もいらっしゃいます。

オンコールを頭から拒否せず、転職の幅を広げてみてはどうでしょうか？