医療業界のパワハラを考える・・・シリーズ最終第三弾は、同じ看護師同士、看護師長から看護師へのパワハラ問題について考えてみたいと思います。
男性看護師の方も増えたとはいえ、まだまだ女性社会。。職業柄、サバサバしている方も多そうですが現実はどうなのか調べてみました。
1. 看護師長から看護師へのパワハラとは?
医療業界以外でも、部下をいじめるパワハラ上司はいます。
ただ看護師の世界では、ほぼ女性だけの職場、命に関わる現場、患者・患者の家族・医師・薬剤師・介護師など気を使う相手が多い、など常にストレスフル。
このような過酷な環境からか、看護師長から看護師のパワハラは、日常的に起こっているのです。
看護師長からのイジメ・パワハラが理由で転職を考える看護師さんが多い事からも、深刻な問題であると言えるでしょう。
またパワハラといえば、暴言や暴力をイメージしますが、厚生労働省が提示しているパワハラの概念の中には、仲間外れや無視、仕事を与えない、実現不可能な仕事を強制する、なども含まれています。
これらも踏まえて考えるともっと多くの看護師さんがパワハラ被害を受けているのではないでしょうか。
2. 「指導」と「パワハラ」の境界線
パワハラの多くが、双方の意識の違いだと思います。その最たるものが「指導」だったのかどうか、という事です。現在、「指導」と「パワハラ」の明確な基準はありません。一般的には、受け手側が「パワハラだ」と感じればパワハラになる、と言われています。ただ、命を預かる医療現場では、そうは言っていられない緊迫したケースも多々あると思います。
すぐパワハラと捉えるのではなく、自分に非がなかったか振り返るべきではあると思います。それが看護師としての成長に大事な事だからです。
その上で、やはりこれは指導の域を超えている、と思ったら「期限を決めて、戦ってみる」事が必要かもしれません。
ポイントは「期限を決める」という事です。看護師長からのパワハラを訴えてもなかなか解決しないどころか、さらにひどいパワハラを受け、泥沼化する恐れがあります。その状態でいつまでも我慢していると体が持たないでしょう。
なので決めた期限までに何も改善が見られない場合は、自分が去るという選択肢を持っておくべきだと思います。
3. パワハラをする人って
病院は、一般企業以上にまだまだ年功序列の所が大半です。
能力のある人が役職に就くというよりは、経験年数の多い人が役職に就く世界です。
なので、指導力はないのに看護師長になってしまう事があります。そんな人に限って、プライドが高く部下に舐められたくないという気持ちからパワハラのような言動をしてしまうのです。
他にもパワハラを起こしやすい看護師長の特徴として
・看護部に居場所がない
・自分に自信がない
・話下手
・発言力がない
などが挙げられると思います。
そしてパワハラをするような看護師長は、往々にして上司や経営陣に対してはゴマスリ上手だったりします。その為、同じ看護師長が管轄する看護部の離職率だけ異常に高かったりするのでチェックしてみてください。
本来は、そこで看護部長や人事が気づくべきなのですが、それでも看護師長の意見しか聞かない、または見て見ぬ振りをしている病院は、パワハラ以前にブラック病院と言えるので出来るだけ早く他の環境に移ることを考えた方がいいでしょう。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか?
今は関係ない、と思っていても妊娠をした途端「マタハラ」にあうかもしれません。同じ女性同士だからこそ厳しい事を言われやすいです。
また自身が看護師長の立場になった時に無意識に部下にパワハラ、マタハラになるような言動をしてしまうかもしれません。
自分には関係ない事だ、と思うのではなく、いつでも「被害者」「加害者」になる可能性がある事を忘れず、基本知識はしっかり身につけておいた方がいいと思います。
ご自身の立場、環境から今一度、パワハラについて考えてみる一つの機会になれば幸いです。
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