6月から8月の間に支給される事が多い看護師の夏のボーナスですが、皆さん、支給はありましたか?
例年ボーナス支給後から、年明けの4月に向けて、転職市場が動き出す時期ですが、コロナ禍の今年は、どうなっているのでしょうか?
夏のボーナスが減った看護師が2割?!実際は・・・
某大手転職エージェントが7月に実施したアンケート結果では、夏のボーナスが前面カット、または減額された看護師さんは22.3%だったそうです。しかし全体の34.7%が「まだ分からない」という時点でのアンケートなので、ほぼ支給が終わった今、実際の状況としてはもう少し増えているのではないでしょうか。
実際、メディカルCOCOでも、ボーナスカットに関するご相談が増えてきています。
コロナ長期化が与える影響
今年2月頃から広まった新型コロナウイルス 感染症。景気には左右されない、とされてきた医療業界にも「感染を恐れた受診控え」「手術の延期・中止」などの影響が出ました。
が、正直コロナ患者の受け入れを行っていない医療機関に関しては、当初はそれほど大きな緊迫感もなく採用なども通常通り行われていました。
それが、ここにきて、目に見える形で医療機関にも影響が出てきています。
緊急事態宣言も解除され、感染症が弱いと考えられていた夏になったにも関わらずコロナは終息の気配がありません。
徐々に患者さんが戻ってきている、とはいえコロナ禍前の状況にまで患者さんが戻っている医療機関はまだまだ少数です。
コロナ患者対応の医療機関においては、仕事は過酷になるも、病院の収益は悪化するばかり。
このようにコロナ長期化が、徐々に徐々に、ボディーブローのように医療機関の経営に打撃を与え続けているのです。なので、今年の夏のボーナスが支給された医療機関でさえ、冬はどうなるか・・・。
実際、夏のボーナス支給時に、冬はカット、という予告をされた人もいます。
公益性が求められる医療を扱う看護師さんが、これほど民間企業と同じように「利益」に左右されてしまう。。とても悲しい現状ですが、経営者側とても厳しい状況なのです。実際に、経営陣が自腹を切って、一般職員にボーナスを支給した、という話もあります。
看護師の不安・・・
夏のボーナスの結果からも、多くの医療機関が思っていた以上に厳しい経営状況である事が浮き彫りになってきました。
それと同時に、コロナの影響で通常以上の感染リスクにさらされながら働いている看護師さんをはじめとする医療従事者の方の働きが報われない事が、とても歯痒い状況です。
モチベーションが上がらない、いつまで気力が続くか分からない、病院自体が倒産するかもしれない、、そんな声が多く聞かれます。
医療崩壊、という言葉を今年はよく聞きますが、コロナ患者が増える事での医療崩壊も避けなければいけませんが、医療業界全体が陥っている経営難による医療崩壊に対しても、国はしっかりと状況を把握し、支援金を投入する必要があると思います。
現在も様々な補助金が国や行政から行われていますが、もっと広く周知してほしいものです。
まとめ:これから・・・
今までは、ボーナスに納得がいかなければすぐ転職をしていた看護師さんも多いと思いますが、給与UP面だけを求めて転職先を探そうとすると、今年は厳しいかもしれません。
確かに生活をする上で、ボーナスを含めた年収の最低ラインが人それぞれあると思いますが、高収入だけを求めるのではなく、自分がやり甲斐を持って働ける”給与以外のもの”を見つけないと、なかなか転職先が見つからないかもしれません。見つかってもまたカットされたら辞めたくなるでしょう。
しかし、このコロナ禍の中でもモチベーション高く仲間と助け合いながら、医療機関の窮地を乗り越えようとしている看護師さんもたくさんいます。
「冬のボーナスはないかも」という情報だけに一喜一憂するのではなく、自分はやり甲斐を持って働けているのか、といった違う視点で考えてみることも大切だと思います。
まずは、冷静に客観的に現状を把握してみましょう。