今月、いよいよ2020年度診療報酬改定案の答申が行われ、詳細項目が明らかになりました。今回の目玉は勤務医の働き方改革になるかと思いますが、看護師の皆さんに影響する部分ももちろんあります。
今回は、その一部を簡単にご紹介。
自分が働く環境が今後どうなっていくのか、今後の転職市場にどう影響が出るのか、考えてみましょう。
院内のタスクシフトを評価する項目が軒並みアップ
・看護職員夜間配置加算→ 一律10点引き上げ
・急性期看護補助体制加算→ 一律30点引き上げ
・夜間急性期看護補助体制加算→ 一律30点引き上げ
このように、看護師だけでなく看護補助など、コメディカルを手厚く配置すれば算定できる報酬が上がっており、300床クラスの病院では、現在の人員配置を変えなくても数千万以上の増収が見込めるようになります。この増収分で新たな人員を雇いやすくなると考えられます。
急性期病棟 看護配置10対1を推進か
入院料の改定では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度の見直しが大きな焦点となっています。
看護必要度の判定基準や評価項目を見直した上で、該当患者割合の基準値は急性期一般入院料1の看護必要度I(従来測定方法)で現行の30%以上から31%以上に、同II(診療実績データを用いた方法)で現行の25%以上から29%以上に引き上げられます。
その一方、入院料4では看護必要度Iを22%以上(現行は27%)、同IIを20%以上(同22%)と引き下げられ、入院料1~4の差が現行の1%から3%に拡大されます。
これにより、過剰といわれる「看護配置7対1以上」の入院料1から、「看護配置10対1」の入院料2以下への病床の移行を進めたい、と言う方針が読み取れます。
(参照)
【急性期一般入院料の看護必要度の該当患者割合】
看護必要度I
急性期一般入院料1 30%→31%
急性期一般入院料2 ── 28%
急性期一般入院料3 ── 25%
急性期一般入院料4 27%→22%
急性期一般入院料5 21%→20%
急性期一般入院料6 15%→18%
看護必要度II
急性期一般入院料1 25%→29%
急性期一般入院料2 24%→26%
急性期一般入院料3 23%→23%
急性期一般入院料4 22%→20%
急性期一般入院料5 17%→18%
急性期一般入院料6 12%→15%
まとめ
いかがでしたか?
詳細は難しいですが、赤字にしてある部分だけでも理解しておくと良いと思います。タスクシフトについては、看護協会が提出していた「医師だけでなく看護職員の負担軽減にも配慮」という要望にも配慮した改定となっています。
現場にはすぐ影響はないかもしれませんが、今回の診療報酬改定の概要を知った上で、これからの働き方を考えてみるといいかもしれません。